砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



「 ――… 真木だろあれ 」


「 何の話ですか? 」


「 ―― 青山じゃないのは判ってたんだ

…立てよ 」


「 イヤです。 」


「 ………… 」




俺は思い切り椅子に座り
青山が、複雑な表情で笑った




「 だからね 青山くん 」


「 …… ん? 」


「 あの子達と共通の時間を
味あわせてやれないかなって
言ってたけど


ユカさん達に無理矢理
アズルンを近付かせるのは
まだ、考えた方がいいかもしれない 」




「 ―――…… 」


「 ユカさんの場合

灰谷くんが、アズルンを好きでも
アズルンは、青山くんを好きだし


自分達が
まだ付き合ってはいない事と…


ユカさんの前では気を使って
灰谷くんが、普段よりだいぶ
アズルンと距離、空けてるから


冗談ぽく抱き着いたりはしてるけどね




"彼も、自分みたいに
アズさんに憧れてるんだ"


だから、許していられる


…彼女が『Azurite』だから
純粋に憧れて、そして羨ましいと思う


だけどもっと仲良くなって


例えば、誰かに彼氏が出来て
友達として"あずる"を紹介して ―――


もしくは

…… もしアズルンが
灰谷くんを愛する様になったとしたら? 」





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