砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



「 次に流れる
スリーピースバンドは、大学生
ここは単純にカッコイイぞ


彼らも地味に、ライヴハウスに出てて
そこのオーナーに話を聞いた


ひと昔前と違って
今はバンドやってるからって
モテないからな


儲かるわけでもないし
純粋な子が、今は多い


"DJやってる
ダンサー目指してる"の方が
モテたいなら有効だろ? 」



「 ――… だな 」


「 ユカ達の事、不服そうだけど
別に身内だからって
ワザと邪険にしてるワケじゃねえぞ
いいと思ったら、関係ないし 」



「 …… じゃあ何で 」


「 アイツらは勿体ない事に
短い時代の、リアルタイムの感覚を
ドブに捨てたんだよ 」



「 ――… ど  どぶって… 」


「 一回せっかく、機会があったのに
違う方向に取っちまったみたいでさ


――― 何歳になっても
その十代のキモチを忘れずにいて
素晴らしい曲にしてる人達もいるけど

これは、作曲能力


だけど、使う単語、空気感 ―――


どんなにつなたくても
ジャストのその世代には
やっぱり敵わない部分、あるんだよな 」




「 ――… ストロベリーピンクって
どんなジャンル、やってんだ 」

「 強いて言えば
『Azurite』の歌い方で
"CheaーRuu"の演奏、作曲傾向を
頑張って模倣してる


でも好きなんだろうから
何も言わないよ


――― それが
ヤツらの音楽なんだろうから 」



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