砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



「 ――――… ハルト


昔の、街での事とか
ライヴハウスでの一件は、もう誰も 」




「 あのね

――― キミ達の試み

"ただ純粋に
夢を追っている人間達の力になりたい"


こんな時代に
それを本当に実行に移した事には
敬意を評するよ


――― こんな俺ですら
胸が少し、ドキドキしたもの 」



「 Globalに残って

… オマエは用心深いから ―――
向こうの動向を監視するつもりなら
監査機関が、常に動いてるし 」



「 大きな事務所のが安心出来る
――― それだけだよ


何かキミの中で ―――


… 俺が格闘野郎のベースを
修理に出したから?

こうやって共に、お茶しているから?


たったそれらの事で
"いい人判定"しているなら
まだまだ甘いね


――― 松田さんに
社長を任せて正解だな 」




辛辣に並べられた言葉
微笑むハルトの静かな口調 ―――




「 別にそういうんじゃねえよ… 」




真木が
何処か心配している様な目を向けても
ハルトは その表情を崩さない




―――… ハルトは

アズの記憶に関して、何を恐れてる?




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