砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
俺がアズから聞いた『水谷』との過去は
水谷が開いていた
まるで子供が集まる
秘密基地みたいな溜まり場に行き
そこを出てから、一緒に暮らした事や
――― 手は出されてない
… 男女というと
俺が容易に想像して
勝手に憤慨していた様な
"同棲生活"はなかった事
それでも本人に会うまでは
… さすがにこれは嘘だなと思ってたし
だけどこいつは ――――
宝物みたいに
むしろ自分の子供みたいに
アズの事を大切にしてる
常軌を逸した
俺達の本気を、試す行動
…確かに
自由にどこにでも行ってしまう
そんなアズの事が心配で
縛る為に、わざと忙しくさせて…
そんな話も、してはいたけど
アズの好きそうな物で埋め尽くされた
あの倉庫街の、地下室
あのビリヤード台のある部屋
壁に貼られた幾つものアズを見て思う
あんな優しい絵を
ずっと描いてた奴なんだ ――――