砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




「 けど

―――… 可哀相じゃないか… 」




それ以上 何も言えなくて ――――




ハルトは
さっきまでの固い表情を緩め、
突然微笑んだ




「 …… 変な所でキミは
自分の身に置き換えて、考え過ぎだよ 」




「 ―――… 」




「 それに
真木が、その妹達説を唱えたのなら

本当に直接渡すか何かしたのか
キミを心配させない為の作り話だろう

俺がバラしてしまったら
意味が無いけどね 」




「  …じゃあ、誰が ――― 」


「 さあ?
ルウ一家が稀にしか
あの家に戻らないとは言えど
監視カメラは、設置されているし
通いで管理してる人間もいる


――― 池上は

自分の家の魚を持ち込んで
水族館代わりにしてもいるみたいだけど


キミから話を聞いた時点で
真木は何かしら動いているだろう

でなければ、ルウの護衛役に
奴を指定したりはしない


自分でやった方がまだマシだ ―――― 」




「 …… 何で、奴らと一緒に
新しいところさ行かない? 」






< 349 / 569 >

この作品をシェア

pagetop