砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



「 あ  ごめん

―――… 起こしちゃったね 」




目の前の、ソファに座っていたのは池上


湯気をたてる湯呑みを一つ
熱そうに持っている


「 いや…   買い物は…? 」


「 だいぶ前に済んで帰って来たよ
もうお弁当の準備も出来て
皆、時間まで眠る事にしたんだ 」


―――… 今、何時だ?


かなりボリュームを下げたテレビ

もう左上に、
時間表示は出ていなかったけど
放送されている番組で
二時過ぎだという事はわかった




朝、どんどんテーブルの上が狭まって

料理してるのに、
煙草を吸うのもなんだし
こっちに移動して来てから
グッスリと、眠り込んでしまったらしい




「 痛 」


…… 池上の、小さな呟き


顔をあげると


――― うっすら左頬が、赤くなって見える





「 ――… 真木 か? 」




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