砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
そしてまた玄関から
何だか騒がしい、今度は 男の声
操作を教わり戻って来た
アズの視線が、玄関先で止まり
… 青山と一緒に 中に進んで来たのは
――――… これまたいい男で
俺は軽く会釈し、タオルを持って
支度を急ごうと、風呂に向かおうとした
――――― が
「 ……ちょっ!!!!
何?! 誰なの?!この美青年!!! 」
「 ――― は?! 」
壁際に追い詰められ
張り付け状態にされた
真木や青山、アズまで笑ってる
―――― あ
「 …… "イッちゃん"? 」
「 え?! あらっ アタシをご存知?! 」
「 イッちゃん
その人が、あのロケットの淳だよ 」
サイドで切り揃えられた黒髪が
その声で途端に体から離れ
俺の足元に正座した
「 ―― ナカマ イッケイと申します
アズルのお姉さんと思ってくれて結構よ
よろしくお願いしますね 」
三つ指まで付かれて
何にもナシじゃなんだから
同じ様に、正座しお辞儀 ―――――
「 これから お湯、頂くのかしら 」
「 あ… はい 」
「 あがっていらしたら、
少し、お洋服とか おぐしとか
触らせて頂いてもよろしい…? 」
上げた顔は、かなり真剣
黙って 頷くしかなく ―――――…