砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
アズの碧い瞳が じわりと潤み、赤くなり
青山は微笑み
真木は、ニヤリと笑う
アズは慌てて、目を擦りながら
突然、上着を脱ぎ出した
「 あら、アズル 暑い? 熱かしら…」
「 ―― 違うよ
ごめんなさいイッちゃん
『Azurite』で行く事にする
――― メイク お願いします 」
「 え……
だって、お花見でしょう?
それなら砕けた感じで行った方が… 」
「 武藤くん
卒業したらモデルになるって ―――
それで事務所、
"Raido"に決めるみたいなの 」
それを聞いた途端、青山が顔をあげ
真木が眼を、大きく開いた
「 ――― マジか 」
「 うん
… せっかく来てくれるんだから
楽しんで欲しいし
だからって "アズ"の素は
あまり、見せたらダメだと思う 」
俺は込み入った話に、出るに出られず
柱の影に、しゃがみ込んだ
… なんだ?
ライバル事務所かなにかか?
「 ―――… だけどね
『Azurite』で行きたいのは
それが理由だけじゃ ないんだ 」
「 …… なんなの? アズル 」