砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




「 ――― 屋形船って

カラオケ あるよね? 」




青山が後ろから
アズの頭をデカい手で ぐいぐいと撫でる


真木も笑いながら立ち上がり
奥の部屋へと向かった




「 ナカマ
こっちにアズの服、結構あるから
良さそうなの、テキトーに見繕えや 」


「 了解よ!!

――… さすがにドレスは選ばないけど
皆がア然とする位、綺麗にしてあげるわ!

あの夏海での浴衣姿なんか
それこそ目じゃないわよ! 」




「 ありがとう! イッちゃん! 」


「 … て事は

――― リュウジさん クウヤ
貴方達にも少し、オシャレして頂くわ!」




「 え  俺もですか? 」


「  …んだよ ダリぃなあ  」


「 クウヤはそれでいいのよ!
… アタシの、個人的な趣味かもだけど

アンタそもそもスーツより
そういう恰好のが似合うんだから
髪だけ、セットさせて!!


―――… でも、リュウジさんは逆ね


ラフな恰好多いけど
ステージのスーツ姿
物凄くステキだもの 」




青山は下を向いて
片手を軽く、横に振る


「 ザンネンながらナカマ
… オレのスーツの下 コイツが履くと
靴下、ちょっと見えちゃうぞ 」



ナカマが吹き出し、真木は睨みながら
それでも嬉しそうに
奥の部屋の 扉を開いた




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