砂場のロケット 〜キミと見る群青〜





鏡の前 


絵の具皿


搾り出されたばかり プラムや苺の赤




拡げられた
宝石箱の様なメイクボックス




持ち上げられ
高い位置でまとめられた、琥珀の髪




剥き出しにされた細い首


その肩先を
くるりと廻った、白いタオルが覆う




男連中は先に


真木や青山は、髪を


タイミングを見て、リビングに出た俺は
一番最後に、ドライヤーの熱を受けた




そして驚いた事に ――――


用意された服は
自分が地元でも着ていた、"D-Roots"の服




―――― ここの所

汚れてもいい服ばかりを着ていたし


… 自分が似合うと思い
好きで集めて、着ていた服を
プロの人間に選ばれたのは
実はかなり、本気で嬉しかった




「 アズル 少し、上むいて 」




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