砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
とは言っても、さっきの今 ―――
足に力が入らないのか
アズは何もない所で、カクンと一回
ギャグみたいに、ヒザを落として
真木と青山が
「 うおい!! 」と叫び
両脇から、同時に支える
気持ちが緩んだのは
開かれたロビーの扉から
春の空気が入って来たせいだけでは
きっと、無くて
なんだか暖かい気持ちで
奴らを見つめながら
俺は自然に、笑っていた
――――― あの後
しばらく二人は、じゃれあった後
アズは、恥ずかしそうにしながらも
"下着をかえる"と、青山に伝え
風呂場の方へ、急に向かって来て
俺は俺で
夜中に忍び込んだ女の部屋に
親が入って来た時みたいに大慌てしつつ
もう一つの方の廊下から大回りして
コッソリ玄関から、外へと逃げた