砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




イタズラする前みたいな

ニヤッとした笑いを、真木は浮かべて
皆、それに 従う


俺も久しぶりに、ちょっとキメ顔




アズを中心に


ザラリと靴音を立てながら
ガラス扉の向こうへと出る




どんな絡みで来たのか判らない
十代らしき男女が、
ストロベリーピンクの面々とは別にいて


ユカちゃんは、何となく
そこに居るのが、不安そうな顔




だけど、扉が開いたと見るや
パッと明るく表情を変えて
こっちに走り込もうとして来た




同時に周りも気がついて
一瞬、ギャーという奇声が挙がったけど




アズがワンピースを着て
現れた時の、俺みたいに


アズや、灰谷や、青山を
目掛けて動いていたユカちゃんも


その場にいた全員が、一斉に、茫然


ア然とした表情を浮かべながら
動きをとめ、固まってしまった




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