砂場のロケット 〜キミと見る群青〜





「 … やっぱり俺
なんか、アホだな… 」


「  え? 」


「 …… なんでもない 」


笑い声に掻き消されて
その耳には、俺の自嘲は届かず
ハシバは名前を呼ばれて、席を立った




多分、気心の知れた
スタッフの人なんだろうな

その横に呼ばれて座り
オレンジジュースを注がれ
笑いの輪で、肩を揺すっている




『 … 岡田さんは アホじゃないよ 』


突然横から、灰谷の声
俺の前に 腕が延びる




「 ――― いつからいたんだよ


『 … 今
向こう、若い人ばっかりだから
少し疲れた 』




吹き出した


「 オヤジかよ

―――… いいのか?
ユカちゃん、ほっといてよ 」




座の、かなり上の方
仲間達と一緒にはいるけど
たまに振り向きながら
灰谷の事を、とても気にしている




『 … こういう場所で
放っとくも何もないじゃん
ファンの人達もいる 』


「 まあ… そうだけどよ 」


『 …こないだの事、シノが
ユカとタカコに、少し怒ったらしいし 』


「 シノ? 」




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