砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
灰谷の視線が向いた先
『 …みつ編みの、眼鏡の子
―… 直接怒ったのは、その横にいる
巻き髪のユリみたいだけど 』
「 卒業式の時の事か 」
『 … そう ちゃんと反省してたよ
しかも今日は、席が離れてて
知らない人ばかりだし 』
そのユカちゃんの隣へ
ちょっと茶髪で、背の高い
体のバランスが良い男が近づいて行った
「 ……もしかしてあれがムトウ君か? 」
『 … うん いい奴だよ 』
「 すいません皆さ〜ん
照明、少し落としますね〜? 」
前方から聞こえて来た
池上の 気の抜けた、明るい声
場内から"うぇ〜い!"と、
拍手混じりの歓声があがる
スピーカーから
スイッチが入った雑音が聞こえ
何人か前で、
マイクを弄ったりし始めたから
カラオケタイムになるんだろうと思う
『 … 岡田さん
歌ってくればいいじゃん 』