砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




「 ありがとう  淳 」




真木とアズから、声をかけられ

… 何か 今日は覗く日なのかと
かなり心配していた状態が解けた




アズがキャップを開けて、真木に渡すと
かなりの勢いで飲み下し
赤い袖口で拭いて、息を吐く


「 ――― 展望デッキ 行ってみようぜ 」




タン と起き上がり、シャツを翻し

横の手摺りに、両手でつかまるが
階段につっかかり、アズが慌てて支えた




巻き上がる髪


「 ――― おお やっぱ景色いいな 」


「  …だな 」




「 ――――… 綺麗…… 」







船体に分けられていた風が
ここには直接吹いて来る


まだアズに、脇を支えられたままの真木が

少し顔を斜めにして
茶色い髪を、かきあげた




「 …… そうだよアズル

フェリー乗った時に、結婚式してたな 」




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