砂場のロケット 〜キミと見る群青〜





今は、その事じゃない


アズが聞いてるのは、それじゃない


俺が "好き"と言ったかどうか




他の"誰か"にではなく


面と向かって

フラれる事だって覚悟しながら

きちんと、アズの目の前で ―――――





青山の住む屋上を探して
俺が引き止め、建物の影に隠れ
蒸し暑い空気の中で聞いた
アズの言葉が蘇って来る




『 自分は何も捨てないで
お気に入りのモノみたいに
私をその中に入れようとしないで 』




―――… これは、理解したんだ

だから俺は
自分に自信がついたら告白するって
電話で言った





ダメだ




――――… また自分に


それともよくわからない"誰か"に
俺は、ずっと、話してる…




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