砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




気配に振り向くと、後ろには真木


ガードのオニイチャンから体を離し
俺を睨む様に見つめていた
アドリアナの青い視線が
真木を見た途端、床へと泳ぐ




しばらく俺も


――― 多分それは、真木もだったと思う


アドリアナは、立つと思ったんだ


ヒールは拾って渡して
ついでに足首を軽く回してみたけど
痛そうな様子も無いから


何故かって


――― アズだったら立つからだ

それに、今気付いた




ヒザが割れても

力いっぱい動いて、
ステージ横で倒れても


あの屋上を目指して、ひたすら走るから




でも
普通の女の子って、こういうもんだよな

アドリアナは全然悪くない




"歩いて疲れた"

"お腹が減った"


そんな事ですぐに不機嫌になって
それも結構、可愛かったりなんかして



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