砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
でも気が付いたら
ちゃんとアドリアナの事は
肩に捕まらせていたし
次には
足が痛いと叫ぶ彼女の肩を抱いて、
真木が階段を降り始めた
すぐにアドリアナは泣き出して
真木に抱き着く
「 … なんで…?
なんでよ…!!!
クウヤは…クウヤは私と
結婚するはずだったのに…!!! 」
「 ―― 五月蝿いと蹴り落とすよ 女 」
後ろに銀色の陰
笑わない、薄い口元
何の感情も無いその声
背中に、寒気が走る
固まってしまったアドリアナと一緒に
帰宅前の、
お茶タイムに集まる少女達の賑わい
別世界の様な一階に到着
手には皆、
沢山のビニールバックを持って
にこやかに顔を見合わせ
笑いさざめいている
ファーストフード店から出ると
横からすぐに、
真木にお辞儀する、三人の男達
「 アナ
エリックさんは、ホテル戻ってるから
オマエも一度戻っとけ
夜、
用事終わったら電話するからよ な? 」
真木が微笑みながら、アナの肩を叩く
アドリアナはそれに、嬉しそうに笑って
雑踏の中、男達
―――… ガードじゃないんだ
多分…"監視"と一緒に
相変わらず優雅な足取りで
女王然と、先を歩き始める