砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
裏通りの 桜並木
アスファルトに、四角い敷石
間隔を空けて、しばらく続いていて
それを眺めながら、
アドリアナの歩幅に合わせ
ゆっくりと自転車を押す
「 ―― もういいだろ
店主さんがママチャリ持ってて
これ、貸してくれたんだからさ 」
「 … だって…
ジュンずっと笑ってるじゃないの… 」
「 これは…
おかしくて笑ってるんじゃないし 」
「 馬鹿にしてるくせに… 」
「 可愛いから、笑ってんだって 」
「 ……… 」
「 そのスカート
タイトだから跨げないし
もう少しでオススメの服屋だから
そこまで我慢な 靴も売ってる 」
「 …アズルに着せたい服とかだったら
殴るわよ… 」
車輪から
キィ と微かな音がする
自転車を止めた