砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
「 ―――― うあっ?!
アワワワ やめて下さい〜!
さっき遠山さんからも連絡貰って…
ボタン取れただけなら、すぐ出来ます
だからど、土下座はやめて…
…ね? ね?
う、後ろの女の子も、
彼に立ってって言って?! 」
服は、全部で四着
遠山さんがくれた地図を頼りに
三軒目のデサイナーの家
幸いな事に、皆、とても優しくて
… そしてさすがと言うか
本当に素早く直して、
今も
「 ――― はい! 出来ました! 」
「 ありがとうございます!! 」
「 ボタン見付けてくれて良かった
これ自分で貝、加工した奴だから 」
「 綺麗です 」
「 うれしいなあ…
ね、キミもきっと、
何か、"モノ造り"だよね? 」
「 え… 」
「 だって…
確かにボタンの位置とかは
手癖みたいな物もあって
違う人がやり直すと、
ビミョーにズレたりするんだけど…
わざわざ作った人間のトコに
持って来てくれるなんてさ
キモチ、判らないでしょう
造る側の人間じゃないとさ 」