砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
手は 差し出さない
アドリアナが
自分で後ろに乗るのを待った
赤味がさして来た空を見ながら
しばらく待っていると
後部がグン、と重くなる
「 …少し雲行き怪しいから急ぐぞ
ケツ痛くても、少し我慢しろ 」
「 ……… !! 」
思い切りペダルを漕いで
傾斜している、坂道を昇る
… "明日、筋肉痛かもな"とか
少し思いながら
―――― 桜
結局、アドリアナは一度も
頭を下げていない
でも仕方ないんだ
… こいつは憤っていて
今の状況を見えていないし
解ろうとしていないから
ボスが言ってた
" 女の子はな
好きな奴の言葉で、一気に変わる
でも、男は自分が納得しなかったら
誰が何を言おうと、変わらないんだよ "
男の方の説
… それはとても納得出来た
だって自分が
そうだったからだ ――――
――― そして女の子の方
アドリアナが、好きな男は真木
だから 言わない
俺が何を言っても、ムダだと思うから