砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
3DK
外観と違和感のない、普通の間取り
ただ、引き戸があったらしき扉は
全て開け放たれていて
寝室と、かなり広い
工房化されているリビングには
仮縫い途中の布が張り付けられた
いくつかのボディが立っている
俺が座っているのは
かなり柔らかく、居心地が良いソファ
目の前には、コーヒーが乗ったテーブル
そして、奥のキッチンには
なぜか真木が居て …―――
やはり、アドリアナは居づらいのか
… "ハルト"が怖いのか
膝の部分を、ギュッと握って
顔を強張らせながら
ハルトの柔らかい微笑みから
目を逸らしたままだ
横にあるテレビから
桜前線の様子を伝える明るい声
お天気オネエサンの、リポートが響く
「 ――― アナ 」