砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
アドリアナが 動く様子はない
… 動けないと言った方が
正しいのかもしれないが…
仕方なく、俺だけ立ち上がって
ハルトに誘われたのは、奥の部屋
取り払われた
襖があったらしき部分には
ビロードの布が張ってあって
カーテンの様に真ん中で留められている
手を添えて、それを潜った
「 ――――… う あ… 」
「 キミが…
ゾクリとしたのは当然かな
服の縫製に使ってるこのボディ達
子供サイズから、大人まで…
全て、ルウの体が元なんだもの 」
「 ―――… な 」
ハルトは
クスクス笑いながら両手を拡げ
壁を見つめた
―――― そこにあったのは
押しピンで刺された
スケッチブックを破いた紙や
ただ何かのチラシの裏を使った
鉛筆描きの物まで大量の ――――
「 全部… アズの、…絵 だ…」