秘書室の言えなかった言葉
「本当は、異動もしくは、転勤させたかったんだけど……。佐伯さん、仕事は出来るから、仕事の事を考えると、このままここに居て欲しいんだよなぁ……」


そして、ため息を吐きながら、真人はまたぼやく。


女に対しては、いい加減だけど、本当に佐伯さんは、仕事は出来る人なんだよな……


「まっ、これで園田さんには手を出せなくなるけどね」

「えっ?」

「だって、英治がずっと園田さんの側に居るだろ?」


と、真人はにやっと笑う。

まぁ、知里が佐伯さんの秘書をしなくていいって事は、佐伯さんから離れられるって事。

しかも、また真人の秘書をまたやるって事は、基本的には真人はもちろん俺と共に行動している。

だから、何かが起こる前に知里を守れる。

だけど、また知里が真人の秘書になるのは、週末の事があったからなわけで……

それが無ければ、きっと今も佐伯さんの秘書のまま。

って事は、もしかしなくても


「職権乱用?」

「失礼な事言うなよな」


真人は笑いながら否定をする。


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