秘書室の言えなかった言葉
キーボードを叩く音が響く室内。


「ねぇ、私、いっつも倉木に助けて貰ってない?」


秘書課では私の方が先輩なのに。

パソコンの画面を見ながらぼそぼそっと呟く私に


「そうか?まぁ、俺はずっと園田の事守るつもりだけど」


私の言葉とは違う意味で返ってくる。

私は“仕事で助けて貰っている”って事を言ったのに。

だけど、倉木の言葉が嬉しい。


倉木はすごくモテる。

そんな人の彼女は、きっと大変。

でも、気持ちが通じ合ってからの倉木は、ちゃんと言葉で想いを伝えてくれる。

だから、私もちゃんと言葉で想いを伝えよう。


「倉木、好き」

「なっ、何!?急に」

「ん?言いたくなっただけ」


そして、これからも、本当に“ずっと”仲良く一緒に居られますように――…


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