江戸時代で逆ハー状態!?



「あああ…あのっ!!貴方の名前は?」


相手に抱きしめられたまま聞くが佐之助くんはまた不機嫌そうな顔をして黙ってしまった。

すると相手は微笑みながら私の頭をなでて
今度は優しい紳士のようにゆっくり私に聞こえやすい声で話してくれる。


「僕は、松原忠司。改めてよろしくね♪」


う~ん…
さっきまでは俺様だったのに次は紳士…?


はてなを浮かべる私に佐之助くんがゆっくり近づく。


「松原さんは多重人格なんだ。
そこらへん俺もよくわからないけど…」


頭をかきながら「んとに…めんどくせー…」と小さな声で呟く。
私には聞こえなかったけど、松原さんには聞こえたみたいで…


「なぁに?なんか言ったかなぁ?さのっちゃん♪」


ニコニコしながら佐之助くんに近づき、佐之助くんの顎を上に上げる。


「言ってねぇっ!!言ってねぇからはーなーせーっ!!」


佐之助くんは物凄く嫌な顔をして松原さんを睨む。
そんな光景が何故か微笑ましく思い、微かに笑うと2人が私の顔を見て呆然とする。


私の顔になにかついてた!?
鏡持ってないし…
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