君と僕とひまわり

沈黙がまた続いた。

彼は私を見つめたまま、ずっと微笑んでいる。

彼が何を考えているのかがわからない。

怖い。怖い。

言葉が出てこない。

あなたは今何を考えているの?
私に何を求めているの?

「ねえ、宮井さん」

彼が初めて私の名を呼んだ。

私は返事が出来ない。

「悪かったね。怖がらせるつもりは無かったんだけどさ、
 君にはなんだか素を出せるよ。なんでだろう」

彼はもう、こっちを向いていない。
ほっとしたと同時に私の鼓動もゆっくりとなっていく。

「それは・・・やっぱり・・・」

言葉に詰まり、首をかしげる。
こういう気持ちはなんと言ったらいいのだろう?

「うん。僕は君に近いものを感じたからからかもしれないね」

「近いもの・・・・?」

彼は席を立って、私の隣の席に腰を下ろす。

「隣いいかな?」

私は頷く。

「まだ初日だってのに、距離が縮まったね」

彼が自分の席のパソコンを起動させる。
また、細い指が見える。

「そうだね」

私は微笑む。心から。

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