おバカくん
あれから一年ほど経った。
二年上がると同時に、恋愛の仕方も変わっていく
中学、高校一年生のときはまだ楽な付き合い方だった気もするのに
今は駆け引きなどと面倒くさく感じさせる。
こんなあたし
黒澤 瑠亜、にも
一応、彼氏がいる。
まぁ、一応だけど
「でね~もう悔しくってぇ、どう思う、頼くん?!』
この、やたら唾を吐きまくりながら喋ってる女たちに囲まれてるのが
一応、彼氏の
久保井 頼。
『そっか、やだねそんなの~』
まぁ、これも日常茶飯事であったりする。
先生からは一番遠くて、外の空気を吸える、この席は我ながら気に入っていたりする
風にあたりながら、今はまっている小説に手をつけたときだった。
「あぁー瑠亜!」
扉から勢いよく入って来たのは、あたしの男友達の梶 雄大。
かなりの男前で、あたしは好きなタイプでもある
『ん、おはよう雄大』
勢いよく近づいてきた雄大に、笑って挨拶をした
「あれれ、千南遅いなー!」
雄大がいう、千南とは
森本 千南というなであたしの一番の友達だったりする。
『昨日、かなり遅い撮影があったらしいよ。』
千南は有名で人気急増中のモデルである
「もしかして、夜中に電話が来たとかか?」
さすが、雄大だわ
『その通りですよ、まじで‥』
呆れた顔になった雄大。
あたしにじゃないかんね?
「2、3時じゃね?」
うおっ!
『えっ なになに、ストーカーだったの?』
ぴったり過ぎんじゃん!
「なわけねぇーよ! それから二時間くらいじゃね?」
おぉー!
すっげー!!!
『雄大ってば、超能力持ってたんかぁー!!』
あたしの言葉に吹き出した、雄大。
「伊達にアイツの友達やってねーな、俺たち。」
意味あり気にいう、雄大に今度はあたしが吹き出した。