おバカくん
その頃、あたしは図書委員で
本が好きだったあたしは苦にならなかった。
ちなみに
ずっと頼も図書委員だったらしい
あるとき
同じ、図書委員として担当の先生に頼まれ事をされた。
放課後の、図書室にはもちろん誰もいない
だから、なのか
『めんどくせ』
頼の優しげな雰囲気はなくなり、笑みもなくなった。
あたしは頼のことに興味もなかったけど、最初笑顔を浮かべて会ったときから胡散臭く思っていたから
驚きもせずに、頼まれ事をこなした。
頼、はしまったという顔になってたけど
あたしは淡々と頼まれ事を終わらそうと手だけを急がす。
驚いたのか、ボーっとして突っ立ってる頼に
『どうでもいいけど、早く終わらせて』
『俺のこと、知らねぇの?』
驚いた様子で聞いてくる頼に
『あなたが誰かなんて興味ないのよ、あたし』
それから、いつものように休みになると図書室へ行って本を読もうとしたときに、頼はいつも隣いた。
本の邪魔されるのが嫌で、
『なに? 本の邪魔。』
『俺が何しようと関係ないだろ』
こんなやりとりが毎日続いていたなか
元々、病弱だった母が
息を引き取った。
という知らせが学校にいたあたしに届いた。
母の担当医からも、いつどうなるかわからないと言われていた
父は大手企業の社長で家に帰って来るのはたまにだった。
だから、
あたしには受け入れられなくて
お葬式が終わっても‥
立ち直れなかった。
近所のオバサンたちや
学校中の人らは‥
「あの子、お母さんが亡くなったっていうのにお葬式でも泣いてなかったのよ」
「黒澤さんってお母さん亡くなったのに、あの成績だもんね」
「ほんと、怖いよね~」
なんて言われ続けた。