臆病な初恋。



元は仲の良い幼なじみだった。

幼稚園も小学校も中学校も一緒だった。
よく遊んだし、お互いの家に泊まりに行ったりもしていた。



それが何故、こんなふうに他人のような関係になってしまったのか。






五年前の中学一年生の頃、思春期で異性を意識しはじめる年頃にもかかわらず、私と亜清はしょっちゅう遊んでいた。
お互いの家で遊んだり、学校でも休み時間や登下校の時も、常に亜清と一緒に居た。


常に一緒に居る事は、幼い頃からずっとの事だったから、中学に入って一緒に居るのも私達にとっては当たり前の事だった。



だけど、周りの人達は〝幼なじみで仲が良いから一緒に居る〟とは見てくれなくて、〝二人は付き合っているから常に一緒に居る〟という見られ方だった。

当然そう見られてしまえば冷やかされてしまう。
最初のうちは、〝違うよ〟と笑いながら否定していたけど、二人で居る所を見られる度にクスクスと笑い声が聞こえてくるようになった。



私も亜清もそれが嫌で、その事について二人で話し合いをする事になった。








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