臆病な初恋。
「亜清?」
名前を呼んでも返事はなく、私はどうしたら良いのか分からなくなってしまった。
何か他に良い方法でも見つけたのだろうか。
亜清が何を考えているのか分からない。
亜清の唇が微かに動いた。
やっと、何か話してくれるのだろうか。
「なあ」
「ん?」
「もう一つ提案がある」
「なに?」
真っ直ぐと私を見つめる。
今までこんなふうに見つめられた事なんてないから、緊張してしまう。
一体どんな事を思いついたのだろう。
「瞳」
「なに?」
「周りが思ってるような関係になる?」
「………え?」
「――俺、おまえの事好きだよ」