臆病な初恋。
思い出の喫茶店。
外に出たのは良いが、特に行く宛てなんてない。
丁度お昼時なので、行きつけの喫茶店に行く事にした。
そこの喫茶店は昔よく亜清と一緒に行っていた。
だから思い出す。
この喫茶店までの道を、二人で馬鹿な話をしながら歩いた事を。
あの頃は幼なじみとしてしか見ていなかったから、周りのみんなが私達を冷やかす意味がよく分からなかった。
今思えば冷やかされて当然だったと思う。
だって、本当に恋人同士みたいだった。
〝幼なじみ〟としての関係で一緒に居たけど、気づかぬうちに私は亜清を好きになっていた。
気づくのが遅すぎたのだろうか。
あの日、亜清に告白されていなかったら、この気持ちに中々気づけなかったような気がする。