抹茶な風に誘われて。
「はーい、かをるちゃん、おばけ役決定―!」
「え――」
「続いて、ユカ、それから南と――」
順番に発表されていくおばけ役の子たちがそれぞれ不服そうに声を上げる。
私の表情もそれだと勘違いされたのか、優月ちゃんと咲ちゃんがよしよし、と頭を撫でた。
「ごめんねー、でもくじは公正だからさ。かをるちゃん、頑張って!」
「あたしらは内装係で頑張るからね!」
二人にエールを送られて、私は頷いてしまう。
「あっ、で、でも……あのっ、そうじゃなくて」
話が、と言おうとする私に、優月ちゃんが黒板に書いた文字を指し示す。
「かをるちゃんは猫娘ってイメージぴったりじゃない? きっと可愛いよー。衣装、張り切ってくれるってさ!」
猫、という単語につい言葉をなくした。
だってそれはまさに静さんがあの時言っていた形容で、まさか自分がそのおばけになるなんて。
不吉な予感は、現実に変わっていこうとしていたのだ。
私立藤棚高校――私の通うこの高校は、つい二年前まで女子高だっただけあって、女子の割合が今でも九割を占める。
現にうちのクラスにも男子はいないから、事実上女子高みたいなものだ。
そのためか男子生徒確保も目的として、文化祭は盛大に行われ、地域住民から他校の生徒から、誰でも来校可能とされる。
去年は喫茶店をやって、裏方にひっそりと頑張っていただけなのに、今年はおばけ役だなんて。
――って問題はそういうことじゃなくて、また言い逃しちゃったってことなんだよね。
下校間際に咲ちゃんを呼び止めたけど、部活に行くところで言えなかったのだ。
駐輪場へ歩きながら携帯電話を開く。
咲ちゃんの番号を見つめながら、夜にでも電話してみようか――そんなことを考えていた時、突然電話が鳴った。
学校内での携帯使用は許可されてないから、あわてて自転車を押して、校門を出る。
切れてしまわないかとあせりながら通話ボタンを押したから、誰からかも見ていなかった。
「え――」
「続いて、ユカ、それから南と――」
順番に発表されていくおばけ役の子たちがそれぞれ不服そうに声を上げる。
私の表情もそれだと勘違いされたのか、優月ちゃんと咲ちゃんがよしよし、と頭を撫でた。
「ごめんねー、でもくじは公正だからさ。かをるちゃん、頑張って!」
「あたしらは内装係で頑張るからね!」
二人にエールを送られて、私は頷いてしまう。
「あっ、で、でも……あのっ、そうじゃなくて」
話が、と言おうとする私に、優月ちゃんが黒板に書いた文字を指し示す。
「かをるちゃんは猫娘ってイメージぴったりじゃない? きっと可愛いよー。衣装、張り切ってくれるってさ!」
猫、という単語につい言葉をなくした。
だってそれはまさに静さんがあの時言っていた形容で、まさか自分がそのおばけになるなんて。
不吉な予感は、現実に変わっていこうとしていたのだ。
私立藤棚高校――私の通うこの高校は、つい二年前まで女子高だっただけあって、女子の割合が今でも九割を占める。
現にうちのクラスにも男子はいないから、事実上女子高みたいなものだ。
そのためか男子生徒確保も目的として、文化祭は盛大に行われ、地域住民から他校の生徒から、誰でも来校可能とされる。
去年は喫茶店をやって、裏方にひっそりと頑張っていただけなのに、今年はおばけ役だなんて。
――って問題はそういうことじゃなくて、また言い逃しちゃったってことなんだよね。
下校間際に咲ちゃんを呼び止めたけど、部活に行くところで言えなかったのだ。
駐輪場へ歩きながら携帯電話を開く。
咲ちゃんの番号を見つめながら、夜にでも電話してみようか――そんなことを考えていた時、突然電話が鳴った。
学校内での携帯使用は許可されてないから、あわてて自転車を押して、校門を出る。
切れてしまわないかとあせりながら通話ボタンを押したから、誰からかも見ていなかった。