抹茶な風に誘われて。
*
「――白井アキラが元在日韓国人?」
だったらどうしたと言うんだ、というのがまず浮かんだ感想。
かをると話したあの日以来三日も経つのに、まだなんとなく寝付けなかったから、早朝からかけてきたハナコに不機嫌な声で返した。
「今は国籍を日本に帰化……それが? かをるに近づく目的とどう関係があるんだ」
数日前から頼んでおいた調査の結果にしては、どうにも意味のない報告に思えて自然と声が低くなる。
昨夜も遅くまで店に出ていたはずなのに、どうしてこうも元気なのかと感心を通り越してあきれてしまうハナコのダミ声が電話越しに響いた。
『そこがまず動機の第一歩だったってわけよお、んもうっ、静ちゃんにしちゃあ鈍いわね!』
「動機の、第一歩……?」
呟くのと同時に起き上がる。
まだぼんやりしていた頭は、一気に冴え渡っていた。
「もしかして、奴はかをるを――」
結論を言いかけたその時、玄関のチャイムが鳴る。
ハナコを待たせたまま応対した俺は、まさに意外な訪問客に一瞬固まった。
「――白井アキラが元在日韓国人?」
だったらどうしたと言うんだ、というのがまず浮かんだ感想。
かをると話したあの日以来三日も経つのに、まだなんとなく寝付けなかったから、早朝からかけてきたハナコに不機嫌な声で返した。
「今は国籍を日本に帰化……それが? かをるに近づく目的とどう関係があるんだ」
数日前から頼んでおいた調査の結果にしては、どうにも意味のない報告に思えて自然と声が低くなる。
昨夜も遅くまで店に出ていたはずなのに、どうしてこうも元気なのかと感心を通り越してあきれてしまうハナコのダミ声が電話越しに響いた。
『そこがまず動機の第一歩だったってわけよお、んもうっ、静ちゃんにしちゃあ鈍いわね!』
「動機の、第一歩……?」
呟くのと同時に起き上がる。
まだぼんやりしていた頭は、一気に冴え渡っていた。
「もしかして、奴はかをるを――」
結論を言いかけたその時、玄関のチャイムが鳴る。
ハナコを待たせたまま応対した俺は、まさに意外な訪問客に一瞬固まった。