抹茶な風に誘われて。
それからはガイドさんが案内する撮影地を巡って、嬉しそうな優月ちゃんからドラマの話を聞いたり――普通に旅行の日程を楽しめた。
街中のハングルがまるで記号みたいで、そんな言葉を読んで喋っている人たちがとても不思議で、でも明るくて優しい韓国の人たちに話しかけられたりするのも嬉しくて。
いつしか気分は浮き上がっていたから、アキラくんのことも忘れていた。
気づけばツアーも終盤に差し掛かり、最後の撮影地に行くため、フェリーに乗る。
ものの五分もすれば桟橋に到着して、青い海に囲まれた綺麗な島――ナミソムに着いていた。
「うわあー見てみてっ! あれだよ、あれがドラマで二人が歩いてた並木道!」
緑の大樹が両側に並んだ白い道を指差す優月ちゃんの瞳は、感動でか少しうるうるしている。
いつもストレートに感情表現をする優月ちゃんが微笑ましくて、私も笑った。
「すごく綺麗な島だね。並んでみて、写真撮ってあげる」
咲ちゃんと優月ちゃんがピースするところを写真におさめて、辺りを見回した。
「ねえ、アキラくんは? 島では班行動でしょ?」
それぞれの撮影地では班のメンバーで行動することになっていたから、訊ねる。
「えーまたあっちの子たちといるんじゃないの? いいじゃん別に、先生たちもそこまでうるさくないって」
面倒くさそうに答えて、さっさと先へ進んでいく。
優月ちゃんの背中を追いかけながら、まだ後ろを気にしていた私に、咲ちゃんがそっと言った。
「もう少しで昼ごはんだし、そしたら捜してみよ? 大丈夫、そんなに気にすることないよ」
優しく肩を叩かれて、やっと頷く。
ついでに頭もぽんぽんと叩いた咲ちゃんが、苦笑を浮かべた。
街中のハングルがまるで記号みたいで、そんな言葉を読んで喋っている人たちがとても不思議で、でも明るくて優しい韓国の人たちに話しかけられたりするのも嬉しくて。
いつしか気分は浮き上がっていたから、アキラくんのことも忘れていた。
気づけばツアーも終盤に差し掛かり、最後の撮影地に行くため、フェリーに乗る。
ものの五分もすれば桟橋に到着して、青い海に囲まれた綺麗な島――ナミソムに着いていた。
「うわあー見てみてっ! あれだよ、あれがドラマで二人が歩いてた並木道!」
緑の大樹が両側に並んだ白い道を指差す優月ちゃんの瞳は、感動でか少しうるうるしている。
いつもストレートに感情表現をする優月ちゃんが微笑ましくて、私も笑った。
「すごく綺麗な島だね。並んでみて、写真撮ってあげる」
咲ちゃんと優月ちゃんがピースするところを写真におさめて、辺りを見回した。
「ねえ、アキラくんは? 島では班行動でしょ?」
それぞれの撮影地では班のメンバーで行動することになっていたから、訊ねる。
「えーまたあっちの子たちといるんじゃないの? いいじゃん別に、先生たちもそこまでうるさくないって」
面倒くさそうに答えて、さっさと先へ進んでいく。
優月ちゃんの背中を追いかけながら、まだ後ろを気にしていた私に、咲ちゃんがそっと言った。
「もう少しで昼ごはんだし、そしたら捜してみよ? 大丈夫、そんなに気にすることないよ」
優しく肩を叩かれて、やっと頷く。
ついでに頭もぽんぽんと叩いた咲ちゃんが、苦笑を浮かべた。