抹茶な風に誘われて。
「きゃーマジでー!? ホン様にドンゴン様までなんて、夢の共演じゃんっ! 絶対行かなきゃー! ほらっ、行こ! 咲、かをるちゃんっ!」
早く早く、と手招きされて、咲ちゃんは少し困った顔で私を見る。
「……だって。どうする?」
あまり韓流スターには興味はないと言っていたけれど、撮影と聞いて咲ちゃんも気になるようだった。
行きたそうな目をしていたから、私は笑って首を振った。
「私は人込みとか苦手だからやめとく。この辺綺麗だし、散歩でもしてコテージにいるよ。ちょっと疲れたから、早めに寝てるかも」
「――そう? でも……」
「本当に一人で平気だから、気にしないで。ほら、優月ちゃんが待ってるよ」
本心からそう言って、そっと咲ちゃんの背中を押す。
最後まで気にしながらも、扉を閉める直前の顔は、少しわくわくした表情をしていた。
「じゃーねっ、かをるちゃん! あとでたっぷり撮影話聞かせてあげるからっ!」
「もし気が変わったらいつでもおいでねー」
窓から二人に手を振って、ようやく一息つく。
賑やかさから解放されて、やっと落ち着いたのが正直なところだった。
もちろん友達と一緒の修学旅行は楽しい。楽しかった、けれど――やっぱり出発前に起こった色々な出来事が私の胸を大きく占めていた。
早く早く、と手招きされて、咲ちゃんは少し困った顔で私を見る。
「……だって。どうする?」
あまり韓流スターには興味はないと言っていたけれど、撮影と聞いて咲ちゃんも気になるようだった。
行きたそうな目をしていたから、私は笑って首を振った。
「私は人込みとか苦手だからやめとく。この辺綺麗だし、散歩でもしてコテージにいるよ。ちょっと疲れたから、早めに寝てるかも」
「――そう? でも……」
「本当に一人で平気だから、気にしないで。ほら、優月ちゃんが待ってるよ」
本心からそう言って、そっと咲ちゃんの背中を押す。
最後まで気にしながらも、扉を閉める直前の顔は、少しわくわくした表情をしていた。
「じゃーねっ、かをるちゃん! あとでたっぷり撮影話聞かせてあげるからっ!」
「もし気が変わったらいつでもおいでねー」
窓から二人に手を振って、ようやく一息つく。
賑やかさから解放されて、やっと落ち着いたのが正直なところだった。
もちろん友達と一緒の修学旅行は楽しい。楽しかった、けれど――やっぱり出発前に起こった色々な出来事が私の胸を大きく占めていた。