抹茶な風に誘われて。
Ep.11 投影
――嘘だ。
こんなのは嘘だ。
自分でも違うことはわかっているのに、まだ認めたくない頭が現実を否定する。
押さえつけられて、ベッドの上で自由を奪われているのに、それでも相手が見知ったアキラくんであることが信じられなかった。
「な、何を……」
震える唇からこぼれ出た言葉に、目の前の顔が意地悪な笑みを浮かべる。
「何をするつもりかって? そんなの決まってる――セックスだよ」
はっきりと言われて、声も出ない。
思いをそのままに、ただ何度も首を振ることしかできなかった。
「可哀相に……事態が飲み込めないって顔だな。それもそうか、昔馴染みの明るい『アキラくん』にまさかこんなことされるなんて思わないよなあ」
くっと笑って、優しげな目つきから想像もできない力で、ワンピースの胸元を思いきり引き裂かれた。
悲鳴にもならない声が喉から出たけれど、弾き飛んだボタンとあらわになった肌が状況を物語っていた。
「暴れたって疲れるだけだぜ? こんな華奢な腕、片手でだって押さえられる」
言葉通りに片手で私の両手首を拘束して、アキラくんがゆがんだ笑みを見せる。
下着しか付けていない素肌をさらしていることで頬に朱が散ったけれど、それは恥ずかしさというよりも怒りに満ちた反応だった。
「どっ、どうして……どうしてこんなことするの!?」
内心の恐怖を悟られないように、精一杯厳しい声を出す。
けれど正直な体は、震えを抑えることができなかった。
「そんなに怖がらなくても、ちゃんと優しくしてやるよ。俺だって本当なら合意の上が一番なんだから――」
ひどすぎる言葉、無情な現実。
全ては彼が仕組んだものであるはずなのに、なぜか頭に浮かぶのは昔の笑顔ばかり。
どうして、とまだ繰り返される意味のない問いにとらわれていて、一瞬動けないでいた私の首筋に、アキラくんの冷たい唇が押し付けられる。
こんなのは嘘だ。
自分でも違うことはわかっているのに、まだ認めたくない頭が現実を否定する。
押さえつけられて、ベッドの上で自由を奪われているのに、それでも相手が見知ったアキラくんであることが信じられなかった。
「な、何を……」
震える唇からこぼれ出た言葉に、目の前の顔が意地悪な笑みを浮かべる。
「何をするつもりかって? そんなの決まってる――セックスだよ」
はっきりと言われて、声も出ない。
思いをそのままに、ただ何度も首を振ることしかできなかった。
「可哀相に……事態が飲み込めないって顔だな。それもそうか、昔馴染みの明るい『アキラくん』にまさかこんなことされるなんて思わないよなあ」
くっと笑って、優しげな目つきから想像もできない力で、ワンピースの胸元を思いきり引き裂かれた。
悲鳴にもならない声が喉から出たけれど、弾き飛んだボタンとあらわになった肌が状況を物語っていた。
「暴れたって疲れるだけだぜ? こんな華奢な腕、片手でだって押さえられる」
言葉通りに片手で私の両手首を拘束して、アキラくんがゆがんだ笑みを見せる。
下着しか付けていない素肌をさらしていることで頬に朱が散ったけれど、それは恥ずかしさというよりも怒りに満ちた反応だった。
「どっ、どうして……どうしてこんなことするの!?」
内心の恐怖を悟られないように、精一杯厳しい声を出す。
けれど正直な体は、震えを抑えることができなかった。
「そんなに怖がらなくても、ちゃんと優しくしてやるよ。俺だって本当なら合意の上が一番なんだから――」
ひどすぎる言葉、無情な現実。
全ては彼が仕組んだものであるはずなのに、なぜか頭に浮かぶのは昔の笑顔ばかり。
どうして、とまだ繰り返される意味のない問いにとらわれていて、一瞬動けないでいた私の首筋に、アキラくんの冷たい唇が押し付けられる。