抹茶な風に誘われて。
「大体自分の親への恨みなら、親子で解決しろっつうんだよなあ? なんで無関係のかをるちゃんに敵意を向けるんだっつー話だよ。ガキの逆恨みもいいとこ、マジ最低だぜ。なー? 静、聞いてんのかよ、静ってば! あっででで……何すんだよ!」
「――お前を日本海に沈めてやろうか?」
無神経なお喋り口をひねり上げて囁いたら、駄目元は首をぶんぶん横に振った。
真剣に怒っている俺にようやく気づいたらしい。
「はいはーい、もうその話は置いといて、肉食べよー肉っ! こげちゃうよ」
のん気な声で間に入り、各自の皿に焼けた肉を置いていく香織。
さすがにビールを注いでくれる手つきは慣れたものだ。
「はあ~でもほんっとに海を見ながらこうしてバーベキューなんて素敵よねっ! ムード満点! さすがは韓流イケメンの国。さっきバーベキューの道具貸し出してくれるスタッフのお兄ちゃんも結構かわいかったのよお。遠くからだけど撮影もちらっと見れたし、あたしは大満足だわあ」
「撮影ねえ……あたしからしたら、韓流スターそっちのけで韓国の女の子たちの目も釘付けにしちゃう静のほうが面白かったけどなあ。あれは着物にこの外見で目立ってたっていうだけじゃない黄色い歓声だったわよ。下手すりゃあんたのほうが撮影されてたかも」
「あ~それ言えてる。下手に目立ってたら、かをるちゃんレスキューどころか韓流デビューしてたかもなー静」
ぎゃはは、と膝を叩いて笑う駄目元に眉を寄せると、また失言したことに今度こそ気づいたらしく、アホ面がハナコに向いた。
「あーまあ、韓流スターもいいけど、俺はやっぱ女の子かなー。みんなスリムで美人だったし、食い物もうまいし、あーあ、俺韓国でホストしようかな」
「なーに言ってんの、言葉もわかんないくせに」
「そうそう、どこでもイケメンの基準は一緒よ?」
「えーっ、ハナコさんがそれ言うか!」
わいわい騒ぎながら酒をあおり、肉を裏返しては食い続ける三人を傍観しながら、うまくもないビールを飲み干す。脳裏に何度も蘇るのは、引き裂かれたかをるの服と、涙の浮かんだ瞳。
「――お前を日本海に沈めてやろうか?」
無神経なお喋り口をひねり上げて囁いたら、駄目元は首をぶんぶん横に振った。
真剣に怒っている俺にようやく気づいたらしい。
「はいはーい、もうその話は置いといて、肉食べよー肉っ! こげちゃうよ」
のん気な声で間に入り、各自の皿に焼けた肉を置いていく香織。
さすがにビールを注いでくれる手つきは慣れたものだ。
「はあ~でもほんっとに海を見ながらこうしてバーベキューなんて素敵よねっ! ムード満点! さすがは韓流イケメンの国。さっきバーベキューの道具貸し出してくれるスタッフのお兄ちゃんも結構かわいかったのよお。遠くからだけど撮影もちらっと見れたし、あたしは大満足だわあ」
「撮影ねえ……あたしからしたら、韓流スターそっちのけで韓国の女の子たちの目も釘付けにしちゃう静のほうが面白かったけどなあ。あれは着物にこの外見で目立ってたっていうだけじゃない黄色い歓声だったわよ。下手すりゃあんたのほうが撮影されてたかも」
「あ~それ言えてる。下手に目立ってたら、かをるちゃんレスキューどころか韓流デビューしてたかもなー静」
ぎゃはは、と膝を叩いて笑う駄目元に眉を寄せると、また失言したことに今度こそ気づいたらしく、アホ面がハナコに向いた。
「あーまあ、韓流スターもいいけど、俺はやっぱ女の子かなー。みんなスリムで美人だったし、食い物もうまいし、あーあ、俺韓国でホストしようかな」
「なーに言ってんの、言葉もわかんないくせに」
「そうそう、どこでもイケメンの基準は一緒よ?」
「えーっ、ハナコさんがそれ言うか!」
わいわい騒ぎながら酒をあおり、肉を裏返しては食い続ける三人を傍観しながら、うまくもないビールを飲み干す。脳裏に何度も蘇るのは、引き裂かれたかをるの服と、涙の浮かんだ瞳。