抹茶な風に誘われて。
「――笑顔が似てる、か」
小さく呟かれ、首を傾げる。何でもないと笑った静さんは、私を胸に引き寄せた。
「せ、静さん……?」
ドキドキしながら呼ぶ私に、静さんが苦笑したのが息づかいでわかった。
「今日は恥ずかしいところを見せたな」
それがお父様との言い争いのことだとわかって、私はあわてて首を左右に振る。
そんなことないと言いかけるのを、唇に当てられた人差し指で止められた。
「相手が老いたのもわかったが――自分がまだまだ子供だということもよくわかった。だから優しい弁護も必要ない」
困ってしまって、そっと見上げた先にあるのは穏やかなグレーの瞳。
深い色は自分の感情を受け止めているようだったから、私も何も言えなくなった。
俯いた瞬間、ぐっと抱き寄せられて、耳元で囁く声。
「お前がいてくれてよかった……ありがとう」
今日二度目のお礼に、見開いた目から涙があふれる。
泣き虫な自分を恥じる私よりも先に、静さんの浅黒い指がその涙を拭ってくれて。
暖かく頬を包んだ手に導かれるまま、私は静さんと唇を重ねていた。
段々熱をもってくる口付けに息が上がる私。それでも優しいキスは降ってくる。
「……まだ怖いか?」
キスの合間に訊ねられて、一瞬答えにつまる。
まっすぐ見つめている静さんに嘘はつけなくて、正直に頷いた。
小さく呟かれ、首を傾げる。何でもないと笑った静さんは、私を胸に引き寄せた。
「せ、静さん……?」
ドキドキしながら呼ぶ私に、静さんが苦笑したのが息づかいでわかった。
「今日は恥ずかしいところを見せたな」
それがお父様との言い争いのことだとわかって、私はあわてて首を左右に振る。
そんなことないと言いかけるのを、唇に当てられた人差し指で止められた。
「相手が老いたのもわかったが――自分がまだまだ子供だということもよくわかった。だから優しい弁護も必要ない」
困ってしまって、そっと見上げた先にあるのは穏やかなグレーの瞳。
深い色は自分の感情を受け止めているようだったから、私も何も言えなくなった。
俯いた瞬間、ぐっと抱き寄せられて、耳元で囁く声。
「お前がいてくれてよかった……ありがとう」
今日二度目のお礼に、見開いた目から涙があふれる。
泣き虫な自分を恥じる私よりも先に、静さんの浅黒い指がその涙を拭ってくれて。
暖かく頬を包んだ手に導かれるまま、私は静さんと唇を重ねていた。
段々熱をもってくる口付けに息が上がる私。それでも優しいキスは降ってくる。
「……まだ怖いか?」
キスの合間に訊ねられて、一瞬答えにつまる。
まっすぐ見つめている静さんに嘘はつけなくて、正直に頷いた。