抹茶な風に誘われて。
「まだわからない――違うか?」
視線だけを合わせて、図星であることを証明してしまった。
答えに困っていたら、亀元さんがわざとのように明るい声で笑った。
「そりゃあそうだよな。まだ十七やそこらで将来やりたいことなんてわかんねえのが普通だって! でも花が好きなかをるちゃんが自分で決めたんだからいいじゃんか」
「まあ、それはそうだよね。それにかをるちゃんは静先生のお嫁さんが第一目標ってことで、別に進路の心配する必要ないじゃん」
今度は突然意気投合した優月ちゃんと亀元さんを横目で見ていたハナコさんが、懐から取り出して扇子を広げながら独り言のように呟く。
「静ちゃんって、結婚したら家に入れとかいう古臭いタイプの男じゃないと思うのよねえ……あたしは」
「それって――静がかをるちゃんに仕事持ってほしいって思ってるってこと? ハナコさん」
「もちろん経済的な意味じゃなく、精神的にってこと。ね? 静ちゃん」
訊ねた香織さんに意味深な目線を返しながら、静さんにも笑いかけるハナコさん。
どういうことなのかと瞬きをした私に、静さんがにやりと笑った。
「先日、お前の担任と話をして、進路希望を変更しておいた。大学進学、とな」
「ええーっ?」
「静先生、マジい? やるじゃん!」
みんなの叫び声が重なり合う中、私だけは急な展開を理解できずにいて。
――大学進学? 私が……?
いきなりの話に、頭が付いていけない。
「そ、それって本当ですか? で、でもどうして――」
「行きたかったんだろう? 大学」
「それはもう――!」
言いかけて、あわてて口をつぐむ。
けれど私が赤くなった頬を押さえた時には、みんなはなぜかにやにやしていた。
視線だけを合わせて、図星であることを証明してしまった。
答えに困っていたら、亀元さんがわざとのように明るい声で笑った。
「そりゃあそうだよな。まだ十七やそこらで将来やりたいことなんてわかんねえのが普通だって! でも花が好きなかをるちゃんが自分で決めたんだからいいじゃんか」
「まあ、それはそうだよね。それにかをるちゃんは静先生のお嫁さんが第一目標ってことで、別に進路の心配する必要ないじゃん」
今度は突然意気投合した優月ちゃんと亀元さんを横目で見ていたハナコさんが、懐から取り出して扇子を広げながら独り言のように呟く。
「静ちゃんって、結婚したら家に入れとかいう古臭いタイプの男じゃないと思うのよねえ……あたしは」
「それって――静がかをるちゃんに仕事持ってほしいって思ってるってこと? ハナコさん」
「もちろん経済的な意味じゃなく、精神的にってこと。ね? 静ちゃん」
訊ねた香織さんに意味深な目線を返しながら、静さんにも笑いかけるハナコさん。
どういうことなのかと瞬きをした私に、静さんがにやりと笑った。
「先日、お前の担任と話をして、進路希望を変更しておいた。大学進学、とな」
「ええーっ?」
「静先生、マジい? やるじゃん!」
みんなの叫び声が重なり合う中、私だけは急な展開を理解できずにいて。
――大学進学? 私が……?
いきなりの話に、頭が付いていけない。
「そ、それって本当ですか? で、でもどうして――」
「行きたかったんだろう? 大学」
「それはもう――!」
言いかけて、あわてて口をつぐむ。
けれど私が赤くなった頬を押さえた時には、みんなはなぜかにやにやしていた。