愛河モナミさんの秘密
微笑みを向け、クラス委員長は頬を赤らめ、漫画のごとく目をハートにさせ、礼の号令をかける。
「は、はい!れ、礼!」
少女の礼の姿はまるでお手本かのようにとても美しく綺麗で気品に満ち溢れていた。
指先までもがとても優雅で、その礼の姿はクラス中をも魅了させ、見行ってしまうほどである。
【座れば牡丹】
少女は号令を終え、席に座る。
その瞬間さえクラス中のだれもが皆、注目させ目から離せなかった。
一つ一つの仕草、座る瞬間さえ見逃せないほど美しく、牡丹の花のように凛としていて、輝いていた。
『ほぅ…座るときでさえ美しいですわ…』
と頬を赤らめ顔に手を添え賞賛する女子生徒多数の声。
『はぁ…何とも言えぬ美しい動作だ…ぜひ我が茶道部に欲しいものだ!』
うんうんと同意し頷く合う茶道部員たち。
その反対に、
『確かに美しすぎる動作は認めるけど、茶道部なんかに来るよりは我が華道部に来てほしいものね…』
うんうんと頷きあう華道部員たち。
また別のところでは、
『ああ~、彼女は三次元に舞い降りた現代の大和撫子だーーーー!』
『ぶ…ぶちょーーー、ヤマトナデシコは本当にいたんですねーーー俺感動しました!!』
『俺もです!』
と号泣するオタクたち。
そんな彼らたちを気付かないのかはたまた無視している少女はさっさと帰り支度を済ませる。
かばん中に教科書や筆記用具などを詰め、閉じる。
そして、席を立ちあがる。
そのときの動作ですら感動を震わせるくらい美しく、気品があった。