下宿屋まろん
2
トヨコさんは僕を椅子にかけさせると、庭で取れたというハーブティーを入れてくれた。
あんまりにもスースーしすぎて、ハチミツを大量に入れた僕に、
「まだ早かったかしら」
と首を傾げる。
トヨコさんは、お茶を飲み終えると「下宿屋まろん」について、話をしてくれた。
今のところ住人はトヨコさんを含め6人。
本当は女の子専用の下宿屋なのだが、トヨコさんの父親側の従兄弟(つまりは僕とは関係のない)が、どうしようもない理由で離れに住んでいるという。
「だから、と言ってはなんだけど」
「君は女の子のフリしてくれないかな?」
僕は、ポカンと口を開けた。