下宿屋まろん




トヨコさんは僕を椅子にかけさせると、庭で取れたというハーブティーを入れてくれた。

あんまりにもスースーしすぎて、ハチミツを大量に入れた僕に、

「まだ早かったかしら」

と首を傾げる。

トヨコさんは、お茶を飲み終えると「下宿屋まろん」について、話をしてくれた。

今のところ住人はトヨコさんを含め6人。

本当は女の子専用の下宿屋なのだが、トヨコさんの父親側の従兄弟(つまりは僕とは関係のない)が、どうしようもない理由で離れに住んでいるという。

「だから、と言ってはなんだけど」

「君は女の子のフリしてくれないかな?」


僕は、ポカンと口を開けた。
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