君の言葉を胸に
一節
今日の空は青かった。
雲一つなくて、冬にしては珍しい。
「う~ん…」
そんな空の下、俺は考え事をしていた。
「はあーあ」
考えても考えても、答えは出てこない。
なんだかな…。
「そこのお兄ちゃん!悩み事かい?」
そんなとき、肩に手を置かれたので後ろを向くと坂下さんがいた。
「………」
「何やってんの、こんなとこで」
「……別に」
「変なの」
坂下さんはクスッと笑った。
悩み事がなさそうでいいな…。
素直にそう思った。