君の言葉を胸に





俺の腕を引っ張りながら坂下さんは空を見上げた。


つられて俺も空を見る。


「…空、綺麗だね」


夕方の6時。


春になりかけの季節。


まだまだ暗い。


そこには、ある星座が浮かんでいた。


「……北斗七星」


まわりの星より輝いて見えた。


「野村知ってる?北斗七星って、春の訪れって言うんだって」


春の訪れ……。


「もうすぐ春だもんね」


そう、もうすぐ季節は春。


紗菜と会ってから、1年が経つ。





< 108 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop