君の言葉を胸に
……こんなときまで紗菜が浮かんでくるなんて。
重症か、俺は。
「着いたー!飲むぞ、野村」
坂下さんに連れられてやってきたのは地元の居酒屋。
駅前じゃないのかよ。
「いらっしゃい!て、陽かよ!!」
「久しぶり~。今日は飲むよ、和志のおごりで」
「なんでだよっ!!」
楽しそうに話す二人。
俺、お邪魔でしょうか。
「……あれ?あれあれあれ!?陽、男いたのか!」
和志と呼ばれる男が、俺を指差す。
こら、人のこと指差しちゃあいけません。