君の言葉を胸に
「いや、それは違…」
「それ、ないわ」
俺が言うよりはやく、坂下さんが否定した。
めっちゃ無表情で。
「つかコレ、野村」
「はっ!?野村!?」
おい、和志。
何で俺の肩を掴む。
俺はお前を知らないし、そういう興味もねぇ!
「へぇ、野村かぁ。野村、デカくなったなぁ」
お前、俺の何なんだ。
親戚のおじちゃんか。
「久しぶり。俺のこと覚えてる?」
「まさか」
会ったこともねぇし。
「ははっ。即答」
和志は大きな口あけて笑う。
……アホみたい。
何となく、原和田に似てるような気がした。