君の言葉を胸に
そんなの言った記憶がない。
ってか、俺、絶対そんなこと言わない。
「原和田、勘違い。それ、俺じゃないよ」
「お前だよ。流れ星」
流れ星?
空を見るが、流れ星は流れていない。
まあ、流れ星は一瞬だからな。
「流れ星はお前だよ、野村」
………俺?
いやいや、何こいつ。
俺は人間です。
「なかなか見つけられない。見つけても、すぐどっかに行っちゃう。ほら、流れ星。ぴったりのあだ名だろ?」
「………」
俺はびっくりした。
その言葉に聞き覚えがあったから。
…原和田は、泣いていたから。