君の言葉を胸に





引きつった顔で笑う俺を見て、原和田も笑う。


お、怒ってない…?


「なーにをやってるのかな~?」


声がドス黒い…。


怒ってますね、はい。


「偶然、通りかかってですね…」


「へぇ、それで?」


「偶然、別れよう、って声が聞こえてですね…」


「へぇ、それで」


原和田さんの声がどんどん黒くなってく…。


怖いっすね…。


「立ち止まって、聞いてました…」


「………野村くん?」


今度は多田さん。


「……はい」


「それ、やっちゃダメなことだよね」


「はい…」


あの多田さんの声が…声が…怖いぃぃい!





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