君の言葉を胸に
俺も顔を赤くする。
しかし、次の明の一言で俺の顔は青ざめることになる。
「杏ちゃんも、このぐらいだったもんね」
「っ!!」
「…!?」
杏ちゃん…?
誰だよ、杏ちゃんって。
「……誰だよ…」
俺の呟きが聞こえたのか、明はあっ、と声をあげた。
「恵介…」
「誰だ…!」
思わず怒鳴ってしまう。
そのぐらい俺は、動揺していた。
「恵介、何で…?原和田くんから何も聞いてないの…?」
原和田から…?
何も聞いてない。
何も聞いてないよ。
なあ、俺が無くした記憶って…どんなだったんだよ?
そんなに大切な思い出があったのか?
教えてくれ。
誰か、誰か……!