君の言葉を胸に
四節
あと少し。
あともう少し。
あともう少しで分かるんだ。
俺の記憶が、戻るかもしれない。
「野村。あったぞ、高校時代の写真」
原和田にアルバムを渡される。
「これが……」
手にしたアルバムから、何かを感じた。
開くのが少しだけ怖くなる。
「……開けないの?」
そう聞く原和田の顔は無表情だった。
「………」
ゴクッ。
音をたてて唾を飲んだ。
緊張感が増す。
震える手を抑えながら、ページを開いた。
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